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[Webots ロボティクス] 12個の壁障害物と局所解(Local Minima)の克服: 複数シード並列学習 (#3)

· 約3分
Jihwan Park (jaybee)
AI & Robotics Engineer

obstacle12 シミュレーション環境

📌 キーポイント (TL;DR)

  • 課題(Problem): 壁の背後に目標がある場合、距離差分報酬(+0.1 × Δdist)の貪欲な性質により壁を迂回できず正面衝突を繰り返し閉じ込められる**局所解(Local Minima)**が発生。
  • 解決策(Solution): 3方向超音波ヘッドスキャン(前方・左・右)状態情報と長期的割引率(γ=0.99)の結合 + PowerShellによる**Webots Headless無人高速パイプライン(headless_run.ps1)**を構築し、3シード(Seed 0, 1, 2)の並列反復学習を実施。
  • 成果(Result): 12壁障害物環境においても平均600エピソード以降に90%以上の安定した到達成功率を達成し、確実な迂回ポリシー(Detour Policy)の獲得を実証。

1. 障害物環境における課題: Local Minimaの罠​

障害物のない環境(no_obstacle)とは異なり、アリーナ内に**12個の壁障害物(obstacle12)**を配置すると深刻な走行ボトルネックが発生しました。

flowchart TD
Start["出発点 (Robot)"]
Wall["壁障害物 (Wall)"]
Goal["目標地点 (Goal)"]

Start -->|"直進(距離短縮を優先)"| Wall
Wall -.->|"衝突&スタック(局所解)"| Wall
Start ==>|"迂回ポリシー(Detour)<br>一時的な距離後退を許容"| Goal
  • ジレンマ: 目標が壁の向こう側にある場合、目標へ直進しようとすると必ず壁に衝突します。
  • 報酬の逆効果: 迂回するためには一時的に目標から離れる(負の距離報酬)必要がありますが、近視眼的な行動はこれを避けるため、壁の前で空転するかタイムアウトするデッドロックに陥ります。

2. 解決戦略: ヘッドスキャン状態と価値の逆伝播​

この局所解を克服できた要因は、**3方向障害物センサ(前方・左・右)と高い割引率(γ = 0.99)**の組み合わせです。

  1. 知覚状態の拡張: 前方危険時に左右のヘッドスキャンで安全な方向を発見し、横方向への旋回を誘導。
  2. 長期的価値の伝播: 一時的な距離の後退があっても、壁を回って目標へ到達すれば大きな終端報酬(+1.0)が得られます。割引率 γ = 0.99 により、迂回行動の価値が逆順にQテーブルへ反映され、エージェントは迂回ポリシーを獲得します。

3. Webots Headless 自動化パイプライン​

複数シード(Seed 0, 1, 2)による実験を効率化するため、GUIレンダリングを無効化した超高速モード(--mode=fast --no-rendering)を実行する headless_run.ps1 を構築しました。


4. 学習曲線の比較分析​

学習曲線の比較

障害物なし環境と12壁障害物環境の比較結果:

  • 最終到達成功率: no_obstacle の98.5%に対し、obstacle12 では 91.4%〜94.8% を達成。
  • 平均ステップ数: 直進主体の15〜22ステップから、迂回を含む 38〜52ステップ へと適応。

5. 次回予告​

次回第4回では、保存されたモデル(models/*.npy)を読み込み、純粋な決定論的走行の定量的評価を行う evaluate_qlearning.py ベンチマークおよびDQN/SARSAとの性能比較をお届けします!